Japanese as a Subject of Higher Education in Hong Kong

Abstract

香港では多くの機関で日本語プログラムが開講されおり、それは高等教育でも 同じ状況である。また同じ高等教育であっても、学位以外の資格を授与する機関 やプログラムもあり、個々のプログラムや機関で扱われる日本語の教育内容や 位置づけの違いを見つけるのが困難な状況になっていることは否めない。この ような状況で高等教育における日本語を明確に差別化する助けとなる枠組みが 香港政府によって導入された。教室の中からだけでは捉えにくい香港全体の日本 語の位置づけを、Hong Kong Qualification Framework (HKQF)とその一端である QF Level という概念から調査し、分類した。この調査から、QF Level 5 以上の レベルからはほぼ大学が開講する学位プログラムによって占められており、学位 以外の資格が得られるプログラムはほとんど見られないことがわかった。高等 教育とほかの教育とを差別化するという意味での HKQF には一定の評価が期待 できるが、香港の高等教育の核心部分である理論的枠組みには批判もあり、個々 の教師がそれらの諸問題や枠組みについて理解しておく必要性について論じた。